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小説「十二単衣を着た悪魔」の弘徽殿女御とはどんな人物?名前の意味や読み方についても

内館牧子原作の小説「十二単衣を着た悪魔」に登場する弘徽殿女御を紹介します。

小説「十二単衣を着た悪魔」の舞台は平安時代、主人公伊藤雷が源氏物語の中にタイムトリップしてしまうお話。

登場人物が多くて非常にややこしい物語ですが、読みやすい内容でした。

ページ数は406ページ。本を読むのが遅い私は休日を1日使って読みました。

源氏物語と言えば「光源氏」を連想する人が多いかと思います。

私もそれぐらいしか浮かびませんでした。

ですが、小説「十二単衣を着た悪魔」は、弘徽殿女御(こきでんのにょうご)にフォーカスがあてられています。

原作者の内館牧子さんのあと書きにも書いてありますが、内館牧子さんは高校生の頃から弘徽殿女御が大好きで、なんとか弘徽殿女御を小説に出来ないものかと考えていたそうです。

弘徽殿女御とはどんな人物で描かれているのか書き出してみました。

小説「十二単衣を着た悪魔」:源氏物語に出てくる弘徽殿女御とは?

弘徽殿女御(こきでんのにょうご、と読みます)とは、紫式部が書いた大河ドラマのような小説の中に出てくる人物で、本名のわからない架空の人物です。

後宮の弘徽殿に住む女御という位にいる便宜上の名称です。

桐壺帝が最初に結婚した最初の妃で、皇子と2人の姫を産んでいます。

一宮を帝にするために光源氏を敵対視し、源氏の失脚を謀ったりしました。

皇子の一宮が帝になった時には、弘徽殿大后となり政にも存在感を示した人物です。

源氏物語に出てくる弘徽殿女御は気性が荒く恐い女

源氏物語に出てくる弘徽殿女御は、とにかく恐い女として、光源氏を苦しめる悪役として登場しています。

藤壺が入内入りの話があったときには、母親が弘徽殿女御に恐れをなして入内を断ったほど。

源氏物語では、弘徽殿女御はキツイ女、恐い意地悪な女として登場していて、あまりいい扱われ方をしていないようです。

亡くなったことに対してもいわゆる「ナレ死」という扱いで、いつどこでどのように亡くなったかは書かれていません。

小説「十二単衣を着た悪魔」:弘徽殿女御は桐壺帝の正妻

弘徽殿女御は右大臣の父を持つ地位の高い家柄出身で、桐壺帝の正妻です。

年齢は21.22歳の若さなのに、全身から出るオーラはただ者ではなく、堂々としています。

迫力・気位・家柄の三拍子が揃った女性ですね。

弘徽殿女御は男前な覚悟の持ち主

平安時代の高貴な女性は男に顔をさらさないとしています。

それは裸を見せるのに等しいのだとか。

女御は陰陽師である雷鳴の力を信じ、彼を自分専属の陰陽師にしたいと申し出をします。

けれど、雷鳴は男なので女御の近くに寄ることすら出来ません。

女御の近くに寄れない雷鳴は、男の人の力になるしかないと言って女御の申し出を断りました。

どうしても雷鳴の力が必要な女御は簾を上げさせ、顔を隠していた扇子を飛ばします。

この時代の高貴な女性がすることではなく、その瞬間おつきの女房たちを慌てさせました。

弘徽殿女御は帝をこき下ろす

雷鳴と弘徽殿女御が出会ったばかりの頃、帝は側室のところばかり入り浸りでした。

世間の人々は、帝は後宮の女さえ制御できないといって、帝に愛想をつかしている。

側室に骨抜きにされたといって無能呼ばわりされている状態でした。

その時は、弘徽殿女御は帝を政に長けていて、決断力もある素晴らしい賢帝だと言っています。

「人の上に立つ者は必ずもてる、女にもてない男は人の上に立てない」だそう。

ところが、側室(桐壺更衣)が病で亡くなったあと、しばらく帝は泣いて過ごしました。

そんな賢帝の知らせを聞いた弘徽殿女御は

「側室亡き後、政もせず朝から晩までメソメソして、他の女も呼ばず帝のくせに情けない。なんとちっぽけな男なのかとあきれている」

  • あきれる
  • 情けない
  • ちっぽけな男
  • 女一人死んだぐらいであの嘆きようは帝の器じゃない
  • 能力の無さが形で見えた

など、非常に気持ちの良いこき下ろしかたです。

恐い女と言われるのは嫌いじゃない

世間では弘徽殿女御は恐い女と言われています。

側室が死んだのも弘徽殿女御のイジメがあったからと言う噂もあります。

弘徽殿女御はそんな噂を気にしないどころか、恐い女と言われるのは嫌いじゃないと雷鳴に打ち明けます。

その理由は「可愛い女」はバカにでもなれるが、「恐い女」になるのには能力がいる

男は自分に自信があって能力があれば恐い女だって「女」として見る。しかし、無能な男は「女」として見ない。

無能な男に「女」として見られたくないのだそうです。

小説「十二単衣を着た悪魔」:弘徽殿女御はひどい目に遭い続ける女

弘徽殿女御は、桐壺帝の正妻でありながら非常につらい目に遭い続ける女性です。

側室桐壺更衣亡き後、藤壺中宮

帝は側室の桐壺更衣が亡くなったあと、桐壺更衣によく似た藤壺を入内させます。

とても美しく、天皇家の娘で申し分ない身分の高さです。

亡くなった桐壺更衣の子ども二宮(光源氏)の母となるわけです。

帝は弘徽殿女御との間の一宮よりも、桐壺更衣の子ども二宮を可愛がっています。

そしてしばらくしてから、藤壺も男の子を産んだので、一宮を帝にしたい弘徽殿女御は気分の良いものではありませんでした。

自分の子ども一宮(春宮)と側室の子二宮(光源氏)の差

帝の長男一宮は弘徽殿女御との間の子、次男二宮は桐壺更衣との間の子。

どちらも非常に賢い子どもです。

ですが、二宮の光源氏は、ずば抜けて賢く容姿端麗で「神の子」と言われるほど。

一宮が二か月かけて覚えた踊りも、光源氏は数回見ただけで覚えてしまいます。

動き一つとっても華があり、見る人を魅了してしまいます。

一宮は何をやっても光源氏には勝てないと思って諦めています。

この差がわかるたびに弘徽殿女御もみじめな思いをしました。

春宮の嫁候補が光源氏に取られること2回

春宮は、弟の光源氏に2回妃候補を取られます。

1回目は春宮が15歳になった頃、弘徽殿女御は春宮に妃を、と考えていたときのこと。

右大臣の娘である弘徽殿女御は、左大臣の娘を春宮の妃にすれば、春宮が天皇になったとき、右大臣・左大臣両方の後ろ盾がある構図になり、怖いものなしだと考えていました。

ですが、帝と左大臣は娘を光源氏の嫁にと、コッソリ話し合っています。

光源氏が元服したのと同時に、春宮の妃候補だった左大臣の娘は光源氏の妻となりました。

2回目は、弘徽殿女御の妹にあたる朧月夜を嫁にと考えます。

さすがに弘徽殿女御の妹には光源氏は手を出さないだろうと思っていたのです。

ですが、光源氏はこの頃かなりのモテ男になっており、光源氏と目が合うだけで世の女性はイチコロだったようです。

そんなとき、御所の廊下ですれ違っただけなのに朧月夜は光源氏に夢中になりました。もうすぐ春宮と結婚するのに。

小説「十二単衣を着た悪魔」:弘徽殿女御は現代のキャリアウーマン

弘徽殿女御は、考え方が平安時代の女性とは違ってかなり現代風です。

サバサバしていて、壁にぶち当たっても切り替えが早い。

弘徽殿女御は負けない女

弘徽殿女御は、どんなにつらい目に遭ってもそれを力に変えます。

次の瞬間にはリベンジに燃え、手を考えます。まるで面白がっているかのように。

自分でも「私は運の悪い女。だから退屈しない」と言っています。

運の悪さに負けないためにはいろんな方向から物事を考え、実行しなくてはならない。

それが面白いのだそうです。

男に頼らない女

自分の暮らしは自分で守る。

弘徽殿女御は、周囲の側室の女たちが男の浮き沈みによって人生が上下するような生き方が恥ずかしいと言っています。

自分の暮らしを支えてほしくて、力のある男にすがっただけ。

男に自分の人生を握られる女こそが一番の不幸だと。

弘徽殿女御は、千年生まれてくるのが早かったような感じです。

現代に生まれていたらバリバリのキャリアウーマンだったのではないでしょうか。

小説「十二単衣を着た悪魔」:弘徽殿女御まとめ

小説「十二単衣を着た悪魔」に登場する弘徽殿女御は、とてもカッコイイ女性でした。

他の源氏物語に出てくる弘徽殿女御はただ意地悪で恐い女のようですが、十二単衣を着た悪魔ではスカッとしたサバサバしてて気持ちよかったです。

映画化されるほど面白いストーリーですので是非小説を読んでもらえればと思います。

  • 弘徽殿女御は、右大臣の娘で桐壺帝の正妻
  • 弘徽殿女御は、帝をこき下ろす恐い女
  • 弘徽殿女御は、ひどい目に合い続ける運の悪い女
  • 弘徽殿女御は、生まれるのが千年早かった
  • 弘徽殿女御は、現代ならバリバリのキャリアウーマンかも

 

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