後宮の烏の主人公柳寿雪は烏蓮娘娘に選ばれ烏妃として後宮にいます。
烏妃とは呪殺から招魂、失せ物探しもするという妃でありながら特別な存在。
寿雪は烏妃となり俗世間からは離れた存在になりますが、その正体とは何者なのでしょうか。
烏妃の存在や帝である高峻との関係も気になりますね。
後宮の烏の寿雪・烏妃の正体が何者なのか、高峻との関係についてもまとめました。
後宮の烏:寿雪(烏妃)の正体とは
「言葉は心の鏡だ。そんなふうにしか思えぬ者の心のほうが醜いのだ」
寿雪の人間性好きだな〜。
王宮に住まう烏妃。夜伽をすることのない特別な妃。その役割、正体とは。
こういう孤独な存在が知らず知らず味方を増やしていくストーリー、個人的にとても好きです。 pic.twitter.com/XatiluQfuH— 桂 / kei 📚 (@reading_pine) December 7, 2021
柳寿雪という名前は仮の名前で、本名は欒(らん)寿雪で16歳です。
烏妃とは
烏妃は後宮内で暮らす「妃」でも帝が通うという一般的な妃ではありません。
巫婆のような能力を持ち、呪殺から招魂、祈祷から失せ物探しまで何でもやってくれるのだとか。
ただ、代償が払えないお願いは受けません。
呪殺を願うのならば命が代償になり、祈祷なら財産を差し出すなどです。
烏妃というのは女神とされる烏蓮娘娘に代々仕えていた巫婆で、後継の烏妃を見つけるのが金鶏(星星)です。
寿雪の正体は前王朝の皇族の末裔
烏妃である寿雪の本当の正体は、前王朝の皇族の末裔です。
名前は欒寿雪。
前王朝は先々代の帝によって滅ぼされ、欒一族は根絶やしにされました。
寿雪の母親は当時幼児だったのと、身分違いの卑女の娘ということで名簿に載っていませんでした。正式に皇族として認められていなかったのです。
そのため逃げることに成功し、妓女として紛れ込み、寿雪が産まれたのでした。
寿雪の名前は「この髪が呪いではなく祝福となるように」寿雪と名付けられました。
寿雪の過去
寿雪が幼い頃、遊里に前王朝の皇族を探している兵士たちが母親を見つけ捕まえにやってきました。
寿雪は隠れて育てられていたこともあり、存在は知られていなかったため、母親だけ兵士に連れて行かれたのです。
捕まった母親は反逆の罪で処刑されていました。
その後、寿雪は人買いに目をつけられ楊家に卑女として売られました。
しばらくして金の羽が楊家に刺さったことで、烏妃の後継者として後宮へ連れてこられたのです。
夜明宮に来たとき、欒の姓を名乗れないため、先代烏妃が柳の名前をくれました。
烏蓮娘娘は真っ暗闇な夜に「夜游神」となって徘徊するという言い伝えがあります。
寿雪は母親と逃げた夜に烏蓮娘娘に目をつけられ、烏妃に選ばれたようです。
後宮の烏:高峻との関係について
後宮の烏2 白川紺子#読了
大切に想う存在が増えてきた寿雪。
心優しい彼女の葛藤が切ない…。徐々に明らかになる烏妃の秘密。
まだまだ隠されていることが多そうで続きが気になる。
寿雪と高峻が心に抱えているものがいつか癒されるといいな。 pic.twitter.com/6wh7EAdKQr— ふーか (@fu_ka37) July 10, 2022
寿雪と高峻の関係は夏の王と冬の王、そして友人です。
烏妃と帝の関係
寿雪と接点を持ち出した高峻は「烏妃」に興味を持つようになります。
そこで明らかになったのは烏妃と帝の関係です。
帝がいる宮と烏妃がいる宮は正反対の位置にあり、まるで後宮の主であるかのように中心にあります。
高峻の祖父炎帝は巫術師というのを信じていませんでしたが、元皇族を根絶やしにした後、しばらくして枕元に前王朝の皇族の幽鬼が度々出現して眠れなくなり不眠に悩まされることになります。
そこで烏妃にすがり幽鬼を追い払ってくれたため、烏妃を粗雑に扱えなくなったのです。
烏妃を廃すると国が滅びる
今より昔のこの国には王が2人存在していました。
男の王が夏の王、女の王が冬の王です。男の王は政を司り、女の王は祭祀を司りました。
男の王は血族によって受け継がれ、女の王は烏蓮娘娘から力を授かり、選ばれ受け継がれてきたようです。
何百年か過ぎたころ、戦乱が起こり男の王は女の王を殺してしまいます。
それから数百年のあいだ戦を繰り返し、男の王は何度か代替わりを繰り返し、新たな王朝が興ってもすぐに滅びるのでした。
その後欒家の青年が現れ、金鶏に選ばれた少女(初代烏妃)を伴って現れ王朝を築くことができたのです。
冬の王が欠ければ夏の王は滅びるのです。
高峻の祖父炎帝が王でいられたのは、烏妃を廃さなかったからでした。
寿雪と高峻の関係は?
烏妃が冬の王と名乗らないのは、再び争いが起こるのを防ぐためでした。
王朝を築いた欒家の青年と金鶏に選ばれた少女が交わした約束は、再び争いごとを起こさないように後宮を作り烏妃と名乗らせ夜明宮に閉じ込めたということでした。
*この少女の術によって烏妃は縛られているとも言えます。
ですので、後宮の烏の冒頭で高峻が「妃にならぬか」と寿雪に聞いた場面がありましたが、寿雪はまともに相手にしなかったのです。
その後、ずっと先のラストで寿雪は烏妃から解放されることになりますが、高峻とは友人関係にとどまっています。
2人の恋愛要素を期待していましたが、そういった背景があるので友人関係にとどまるのが良いのでしょう。
まとめ:後宮の烏寿雪(烏妃)の正体とは何者?高峻との関係についても
4/21発売です。よろしくお願いします。
最終巻も香魚子さんが美しい装画を描いてくださいました。ぜひ一巻の表紙と見比べてください。私はもう胸がいっぱいです。
後宮の烏 7 | 白川 紺子 | 集英社 オレンジ文庫 https://t.co/kzMJHESv6e pic.twitter.com/8jHbQQvEAa
— 白川紺子7/8京都くれなゐ荘奇譚2発売 (@koukoshirakawa) April 2, 2022
- 寿雪の正体は前王朝の皇族の末裔で本名は欒寿雪。
- 母親と逃げていたとき、真っ暗な夜に隠れていたため烏蓮娘娘に目をつけられ烏妃になった
- 烏妃と帝の関係は、昔は冬の王・夏の王として2人で国政をしていた
- 争いが起こり烏妃が廃されると国は滅びた
- 欒家の青年が金鶏に選ばれた少女を伴い、前王朝を築いた。その際争いが起こらないように夜明宮で烏妃とされた
- 寿雪と高峻の関係は、寿雪が後宮を離れたあとも友人関係でいる
欒一族の特徴は、鼻筋が通っていて顎が小さく大きな目で、手足が長いこと。
それに加えて美しい銀の髪を持っています。銀の髪が王族の証となるわけです。
寿雪は生まれながらにして銀の髪でしたので、前王朝の皇族だとバレないように髪を黒く染めています。