天堂晋助著「象の国の侍 」を紹介します。
舞台設定は戦国末期、関ケ原の戦いの頃のタイ!なんと外国です!
著者の作品に出会って4作目になりますが、やはり読みやすいと感じています。
激しい戦のシーンや凄惨なシーンがありながらも、文面からは柔らかさが感じられるんですよね。
今回は「象の国の侍 」について感想や著者の関連書籍についてもまとめました。
天堂晋助著:象の国の侍 とは?
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— イーディー山岡(SNS集客のアマチュア) (@edyamaoka1) January 1, 2025
関ケ原の後、二人は戦いを求めてシャムに渡った!
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天堂晋助氏の作品を紹介するのは4作目となりますが、今回も著者のプロフィールから紹介します。
著者天堂晋助氏プロフィール
埼玉県出身で会社員をしながら執筆活動をされていました。
安原顯氏の創設した創作学校で小説を学ばれ、創作学校にて優秀賞受賞しています。
学研主催の第2回歴史群像賞で奨励賞を受賞したのをきっかけに会社員を辞め執筆活動に専念されたとのこと。
2002年の作品である「秦始皇帝と暗殺者」は、日本図書館協会選定図書となっています。
会社員から作家に転身されたのは心の中にある何かもやもやしたものを表現という形で外に出したかったからということで、今までに多くの作品を出版されています。
誰もが楽しめる小説を書くのが目標で、歴史小説に関心がない人にも面白いと思ってもらえたら嬉しいという熱い想いがあります。
創作学校時代、純文学志向だった著者は、純文学だけでは人に読んでもらうことはできない、とも思っており、アクションやスリルなどで人を引き付けて初めて作品になるのだと考えていたそうです。
作品に盛り込まれているハラハラドキドキは、そういった想いがあるからこそなのですね。
象の国の侍誕生のきっかけ
「象の国の侍」というタイトルにある「象」は、本書に登場する戦において重要なポジションにあります。
実は、象が登場するきっかけとして、著者が幼いころ読んだ「サルガバルの象」という児童向けの図書があったとのこと。
それがずっと頭に残っていて、象によるアクションをいつか書きたいと思っていたことから象の国の侍が誕生しました。
著者は今回の作品を執筆するにあたって、タイに取材に行かれています。
ですのでストーリーからは「舞台は日本ではない」ことや、タイという国を感じさせてくれます。
火の鳥(乱世編)がモデル
象の国の侍は手塚治虫作品「火の鳥乱世編」がモデルとなっています。
乱世編は義経と弁慶が登場するストーリーで、義経がひどい男で、弁慶はお人よし。
「弁慶」がいつキレるか、というのがポイントということですが、象の国の侍の弁慶いつキレる?我慢強いなと思いながら読んでいました。
乱世編のラストでは義経が死亡となっていますが、象の国の侍の「義経」はどうなのでしょうか。
象の国の侍の「義経と弁慶」のラストが気になりますね。
史実と創作が交わる面白さ
著者天堂晋助氏の作品は、史実の中に創作が入り混じっています。
前回紹介した「西郷暗殺」もそうですが、誰が実在の人物で誰が創作の人物なのか調べてしまいます。
それぐらい自然に創作が盛り込まれているんですよね。
史実に詳しい方は、ストーリーだけでなくどこが史実でどこが創作なのかを楽しめますし、歴史に詳しくない人でも楽しめるポイントが沢山あります。
- ハラハラドキドキ
- 戦で地位を上げていくサクセスストーリー からの・・・
- 詐欺のカラクリ
- 裏切り
- 主人公たちのラスト
是非楽しんでくださいね!
象の国の侍概要

慶長五年(一六〇〇)、関ケ原の地。
細川忠興の家臣、佐分正勝は、薩摩軍を追撃中、一人の青年を助けることになる。
正勝はその美しい青年、仁左衛門と、兄弟のように過ごす。
「兄貴、戦(いくさ)はなくなるぜ」
と、ある日、仁左衛門がいう。堺の商人、鴨屋宗安も同じ考えだった。
正勝は途方に暮れる。戦いで身を立てるべく、鍛錬を重ねてきたのだ。ほかに生きる方法を知らない。
正勝は琉球船におびただしい武具が運び込まれているのを目撃する。シャムという国には戦があるのだ。
「兄貴、そこへに行くしかないぜ」と仁左衛門はいう。「シャムとかいうところに行って、天下を取ってやる」
シャムの地で、山田長政と名を変えた仁左衛門は、その軍事的才能を発揮する。しかしそれは、正勝の武術の腕があってこそのものだった。
愛憎渦巻く二人に、対決の機運が高まっていく。
- 著者:天堂晋助
- 本の長さ:244ページ
- kindle価格:680円(税込み)
- ペーパーバック:1650円(税込み)
- 発売日:2024年8月8日
天堂晋助著「象の国の侍 」の感想と評価や関連書籍について
天堂晋助氏の物語は読みやすい。というのは前回までにも述べてきました。今回は前回までとは違ったおすすめポイントがありました!
二人のラストが感慨深い
Amazonの紹介ページにもありましたが、最初から最後まで佐分正勝と山田長政の関係が絶妙に描かれていました。
シャムの地で、山田長政と名を変えた仁左衛門は、その軍事的才能を発揮する。しかしそれは、正勝の武術の腕があってこそのものだった。
愛憎渦巻く二人に、対決の機運が高まっていく。
という部分ですが、弟分長政がヒドイ男で兄貴分である正勝に終盤まで大迷惑をかけ続けています。
冒頭からラストにかけて2人の関係性が変化していき、正勝にとってはやるせない気持ちだったのが伝わります。
長政が本当の気持ちをもっと早くに打ち明けていれば・・ とか、もっと早くに軌道修正出来ていればな、と思えました。
現実世界でもあるあるな関係性だけにジワっとくるものがありますね。
気付き(学び)ポイント!
象の国の侍は2人の日本人がタイに渡り、戦で成功を目指すストーリーで、作中には上記の他にも戦のシーンや駆け引きなどの見どころが沢山あります。
でも、今回私が「えっ⁈」と驚き、なるほど!と感嘆したシーンがありました。
主人公の正勝がタイで詐欺に遭ってしまうのですが、正勝はタイ人は日々仏に祈っていて信心深いから仏に恥じない行為をしている、と思っているんです。
なぜ詐欺なんて悪いことをするのか理解できないんですよね。
でも、タイ人に言わせると「日常で恥じる行為をしているから仏様に許しを請う。何も悪いことをしていなかったら堂々としていられる」とのこと。
日本人が神社やお寺に行く意味合いとはまったく違っていて驚きました。
なるほど信心とは許しを請うことだったのかと。。
こういった違う目線によって新たな発見ができたのも面白かったですね。

詐欺編は「あかんって、騙されてるって!」と心の中で叫んでしまうほど
リアリティがあります。カラクリにも驚かされますよ^^
天堂晋助氏の関連書籍

天堂晋助氏は象の国の侍の他にも数多くの作品を出版されていて、歴史ものの他、恋愛、ホラー系などジャンルが幅広いです。
歴史冒険小説に関連する作品として
- 幕末スパイ戦争
- 悪鬼羅刹
- 奇兵隊戦記
- 新選組出陣
上記の他、最新刊には「家康暗殺」があります。
まとめ:天堂晋助著「象の国の侍」を紹介!評価や感想と関連書籍についても
天堂晋助著「象の国の侍」を紹介しました。
主人公が詐欺に遭うシーン、そのカラクリ、仲が良かった2人の男の決着はどうなるのか。
ラストでは人生って最後はどうなるのかわからないよね、を感じさせてくれます。
象の国の侍を読んだ方、是非コメントで感想を聞かせてもらえれば嬉しいです!
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天堂晋助著「西郷暗殺」を紹介!感想と関連書籍についても